二重NATが絶対嫌な人はイッツコムひかりを契約してはいけない。

excerptに結論を全部書いてしまったのですが、二重NATが絶対嫌な人は集合住宅のイッツコムひかりを契約してはいけません。配布されるモデム(BCW730J)がルーターを内蔵しているのですが、事業者側でブリッジモードへの切り替えが禁止されているため、契約するとルーターモードが解除できずに詰みます。
これだけ知ってほしかったので続き(お気持ち表明)は別に読まなくても良いです。

2021/09/05補足

イッツコムに「BCW730Jでルーターモードを無効化できるか」と「DMZを使用できるか」を問い合わせたのですが、どちらも不可とのことです。

経緯

住んでいるアパートはVDSL配線でインターネットがクソ遅かったため、同軸ケーブルを使用しているかっとびメガ160を契約していました。下りの実効速度が安定して160Mbps近く出るため、VDSL配線の下り最大100Mbpsより速いです。
同軸ケーブルのほうも色々設備が故障したり(実際先週止まった)インターネットがクソ遅くて住民から苦情が出たそうで、突然光ケーブルの導入が行われました。ここまではよかったのですが、将来既存の同軸ケーブルを撤去することになるので、契約しているかっとびメガ160からイッツコムひかりの300メガコースに乗り換えることになりました。 配布されたモデムが住友電気工業のBCW730Jだったのですが、本来ブリッジモードが使用できるはずの機種なのに設定が見えません。工事担当の方に聞いてみたところ、どうも切り替えが制限されているとのことで、ルーター機能がないモデム(性能は劣化する、かつ600メガコースには対応していない)を使うしかないそうです。性能劣化するし、コース変更になったときに考えることが増えてめんどくさいので、私はここで諦めてBCW730Jくんを使うことにしました。はぁ~(クソデカため息)

お気持ち(キレてる)

事前にイッツコムの方が自宅を訪問することは知っていたのですが、そこで説明を聞いていきなりコース切り替えになるのは想定外でしたし、営業の方に「GIPが振られるか」と「配布されるルーター一体型のモデムはルーターモードが解除できるか」を質問して、どちらもYESだったのでコースを変更したのですが、申し込みしないとGIPは振られないしルーターモードは解除できないしで全然話が違っててサラリーマン金太郎の屋上に行くやつになりました。
あと、ルーターの管理画面自体もユーザーがログインすることを想定してないそうで、ポートフォワードとかIPSecパススルーの切り替えするときどうすんだよと思いましたし、追い打ちで、工事担当の方からどうやって管理画面入ったのか質問をされたときはめちゃくちゃ渋い顔になりました。デフォルトパスワード以外が設定されていたら入れなくて詰んでいたので。

BCW730Jの問題点

二重NATについてはNuro光も同じような問題があるそうです。

こちらの記事ではDMZを使ってWAN側から送信された全パケットを別のルーターに処理させていますが、BCW730JはDMZが設定できません。
ポートフォワーディングはできるのでヤケクソで全ポート転送を試しましたが、勝手に破棄されるパケットがあったりでうまく動作せず挙動が謎すぎるので諦めました。
BCW730Jはこれ以外にも問題があり、自分の環境では以下のようなトラブルが発生しているため、可能な限り使用を避けることをおすすめします。

  • BCW730J自身に有線接続している機器以外のIPアドレスの固定に失敗する。機器自身のIPアドレス固定化の設定を使えば固定できるが、ルーターの管理画面からは固定できない。というか直接つなげている機器以外、管理画面で検出できない(原因不明)
  • 上流との通信がいきなり切れることがある(原因不明)
  • BCW730J自身の無線LAN機能を使うと下りの実効速度が30Mbpsくらいしか出ない

ちなみにイッツコムひかりの600メガコースはBCW730Jの使用が必須なので、ケーブルモデムは使用できません。

IPv6パススルーはできるか?

問い合わせても「ここになければないですね」程度の回答しか返ってこないので問い合わせていませんが、IPv6パススルーはできないようです。試しにmioモバイルからラズパイのIPv6アドレスにsshしたところタイムアウトしました。素通しになってるよりインターネットから通信できないほうがずっと良いのでここは諦めます。IPv6パススルーを使用したい場合や特定のアドレスだけ通過させたい場合はイッツコムひかりの契約を諦めましょう。

そもそも

VDSL配線のアパートに住んでいなければこんなことにはなっていなかったので、これから住まいを探す方は光コンセントの有無をぜひ確認してください。 VDSLとCATVの2択しかない状態でインターネットの回線を選ぶことになるのはかなりしんどいです。

ここまでめちゃくちゃボロクソに書いていますが、一応フォローしておくと、今の所無線LANでも実効速度が安定して下り200Mbps程度出てるので、VDSLを使っていたときよりは満足度が高いです。ただし、光コンセントが使えるようになったら迷いなくそちらを契約します。

今のまま運用したいとは1ミリも思っていないため、ARRISのモデムみたいにBCW730Jに事業者用のバックドアとかがあればぜひ教えて下さい。